業務上、通勤途上の病気やケガは労災保険で
労災保険は、労働者が業務上あるいは通勤途上の事故や災害により病気やケガをしたとき、またそのために障害が残ったり死亡したとき、医療や現金の給付を行って労働能力の回復をはかるとともに、労働者とその家族または遺族の生活を保障する制度です。
健康保険で治療を受けられる病気やケガは、業務上あるいは通勤途上の原因以外によるものに限られています。業務上あるいは通勤途上の病気やケガは労災保険で治療を受けなければなりません。なお、労災保険に関する実際の事務は、都道府県の労働基準局と労働基準監督署で扱っています。
こんなときは業務上です
法律で具体的に決めているわけではありません。個々のケースについて、そのつど認定を受けることになっていますが、次のような場合は原則として業務上と認められています。
- ●作業中のとき
- ●作業を一時離れていても、それがトイレに行くなど生理的要求のとき
- ●作業のための準備や後かたづけをしているとき
- ●会社業務で外出中に事故にあったとき
- ●出張先で仕事中のとき
こんなときは通勤途上です
通勤とは、働くために会社と住居の間を、合理的な方法で往復することをいい、この間に起きた災害を通勤災害といいますが、実際には、そのつど認定を受けることになります。また、次のようなケースも対象となります。
- ●道路工事やデモなどのため、やむなく、いつものコースと違った道を通ったとき
- ●会社に出社せず、まっすぐ得意先へ行ったり、そこから直接帰宅したとき
- ●勤務時間の後、社内のクラブ活動で、常識程度の時間だけ、帰宅が遅れたとき
- ●近くのマーケットで買い物をしたり、ランドリーに寄ったとき
- ●独身者が食事のために、食堂に寄ってから帰宅したとき